ひとりでも多くの人に。2

創作と出会いを考えるとき、相性って問題があると思う。心に入ってくる言葉。そして伝える技術。作品においては時折「ストーリーテリング」というものを考えることがある。小説と詩の中間を意識すること。どこまで伝えられているか。そして、どこまで着いてきてくれているか。
相性、合うか合わないか、それはまるでシンデレラの靴のようなものだ。一人でも多くの人にたくさんの人の中から僕が「選べる」のならば、そのたとえは間違っていない。ただ、オーダーメイドのガラスの靴を作るという考え方もある。多くの人に共感を得ようと考えるならば、それはオーダーメイドではなく、大量生産の既製品である。
いろいろな価値観があって当然。一時の自分は自分の価値観を押し付けていたような気がする。目的は「こんな創作もあるよという提案」であったのに。自分を正当化したとき、何か見えないもの(固定観念・現状の社会)を否定し続けていた気がする。