報恩感謝〜ある回想〜

過去を振り返ったとき、その状況に戻ることはもう考えない。ここ数年は長い回り道だったのかもしれない。
ある恋愛の記憶は、確かに消えることはないだろう。でも、一番忘れたくない気持ちは、あのときの失敗を今の自分なら解決できるという、所詮無意味な根拠の無い自負ではない。ただ「愛されていた」という事実だ。これは、変えられようもないだろう。要はその事実との向き合い方だ。
よく警察に犯罪者が諭される「家族を思い出せ」という台詞の意味するところに似ていなくもない。状況が違うだけだ。そのことをいつでも思い出せるか。あたりまえを、大事にできるか。